第2章 続 アンラッキーアイテム//緑間
着替えを済ませ、体育館に着くともう練習は始まっていた。
「あ!真ちゃん!日傘あった?」
俺を見つけた高尾が駆け寄ってくる。
「あぁ」
岬のことは、言わなくてもいいだろう。
「あ、結局遅刻は3つのワガママの一つになっちった、ごめーん」
「別に構わない。俺も練習に参加するのだよ」
今日の練習はいつもより気合いが入っていた。そして調子も良かった。
今度、岬が見に来るかもしれない。
そう思うと、胸の高鳴りが止まらなかった。
「真ちゃんなんか今日すごくね?なんかいいことあった?」
「別に何もないのだよ。気が散るから話しかけるな」
練習終了後は、また高尾と自主練して、帰る時間になる。
「真ちゃん、もうそろそろ帰る時間じゃね?」
「そうだな」
ボールを片付け、着替え、帰路に着く。
「なー、いいことあったっしょ?真ちゃん。なんで隠すんだよー」
「別に隠してなどない。話す必要がないだけなのだよ」
「絶対岬ちゃんのことだろ〜。俺、真ちゃんって女に興味ねーと思ってたわ」
「高尾、それは失礼すぎるのだよ」
そんなくだらない会話をしながら、自宅に帰った。
次の日。
おは朝占いは二位。
ラッキーアイテムは…花柄のハンカチ
妹に可愛らしい花柄のハンカチを借り、家を出る。
今日は運勢も良さそうだ。
ラッキーアイテムも持ったし、人事を尽くせば、今日も良い日になるだろう。
校門に到着したところで、見覚えのある後ろ姿を見つけた。
岬だ…
今日は朝練のため早めに来たのだが、なぜこんな時間に?
「岬」
岬は後ろから声をかけられ、驚いて振り向く。
「あ、真ちゃん?おはよう。朝早いんだね」
「岬こそなぜこんなに早いのだよ」
「私文化祭の実行委員なの。昨日…放課後作業出来なくって。だから今日早く来てやらないとなって…」
「そうか…」