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黒子のバスケ夢 短編集(一章完結)

第2章 続 アンラッキーアイテム//緑間


…ん?
昨日出来なかったというのはどういう意味なのだろう。

俺に日傘を渡してから、戻ったのではなかったのか?





「俺のせいなのか…?日傘を渡すために探し回って、時間が無くなったとか…?」




「えっ違うよ」




慌てて否定する岬。
そして今度は少しだけ赤くなりながら、小さな声で話す。





「あの後、同じ実行委員の子に、真ちゃんの部活がバスケ部だって聞いたの。真ちゃんって有名人だったんだね」







俺は別に有名人などではない。
よっぽど岬の方が有名だと思うが…。







「あの後、見に行っちゃったの、バスケ部…。そしたら、真ちゃんから目が離せなくなっちゃって。すごいんだね真ちゃんって」






見惚れちゃってたみたい、と照れながら笑う。

あぁ、何気ない行動の一つ一つに、なぜこうも胸が高鳴るのか。





「やはり、俺は…岬が好きなのだよ」







今日のおは朝占いでも、『素直になること』と言っていた。

何度でも言おう。

好きなんだ。







「…真ちゃん見ると、ドキドキしたり、目が離せなくなっちゃうのは…好きってことだと思う?」







顔を真っ赤にして、伏し目がちに話す岬。
目を合わせようとしない。






「…俺にはわからない。ただ、俺は、岬の行動や笑顔一つ一つに目が離せないし、胸が高鳴る」

「自分のものに出来たら、どれだけいいか、と願ってしまう」





近づき、ゆっくりと岬の頬に手を当てる。
岬は驚いたように目を見開くが、抵抗する様子はない。
このまま、キスしてしまいたい衝動を必死で抑え、岬の額に自分のそれを合わせる。






「こんな気持ちは、初めてなのだよ…」












「私も…真ちゃんのことが、好き、なのかも…」






先ほどよりも顔を赤くし、目をギュッと閉じている。
…俺を、好き?




岬の額に軽く口付けすると、岬は驚いて目が合う。












「では、昨日の返事を聞いてもいいか…?」













岬は意を決したように、小さな声で話す。


「…はい…私で良ければ…よろしくお願いします」










あぁ、心臓の音がうるさい。














面倒だから、高尾には黙っておこう。

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