第3章 出会い 〜東堂編〜
「そーいえば東堂君、何で生徒会室に来たの?」
カルボナーラをフォークで巻きながら尋ねる。
「更新されたホームページの出来がよかったからな、感想を言おうと思っていたのだ」
対する東堂君はパスタを箸で食べている。
(チャラ男と思いきや、育ちも良いし喋り方も古風で変なやつだよなぁ)
そして、感じる女子の視線。やはり彼はモテるみたいだ。
「宮坂さんはロードレースの試合を見たことがあるか?」
「ない、かな。ホームページ担当を始めたのは今年の春休みからだし、部活動の様子も見てないんだよね」
「だったらぜひ来るといい! この美形の走りを!!」
どうしてこう、自信満々なのかな?
私はパスタを食べながら東堂君の顔をみる。
(つり目……一重まぶた。ロン毛に謎のカチューシャ。はたからみたら怖いお兄さんだよなぁ)
「宮坂チャン??」
「「荒北!」」
食堂に荒北と金髪のイカツい顔の人と、垂れ目で唇の厚いイケメンがやってきた!
「生徒会室が閉まってたから困ってたんだけどォ」
「ごめんごめん、東堂君にしっかりとご飯を食べろと怒られたもんだからさ」
「……荒北、会長と知り合いなのか?」
「ごめんネ福チャン、ちゃんと紹介するわ。……この金髪の鉄仮面……この金髪が福チャン! 福富寿一。この垂れ目のやつが新開隼人、二人とも自転車競技部だ」
福富君に新開君……。
「宮坂さんと俺は同じクラスだよな」
新開君の言葉に、一瞬首を傾げてしまう。だめだ、まだクラスメイトが把握できていない。
「あ、えっと……そう、なのかな? まだクラス把握できてなくて」
その時、新開君は手で銃の形をつくり、私の心臓を撃った。
「っぐ……! や、やられたぁっ……」
とりあえずノリに乗って心臓部分を手で押さえて全身から力を抜く演技をすると、新開君はケタケタと笑う。
「すごいノリいいね! 尽八、靖友、宮坂さんって面白い人なんだね!!」
「まァな」
「うむ! とても面白い人だ!」
……否定しろよ。