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箱根学園生徒会長でございます【弱虫ペダル】

第12章 本当の気持ちを


箱根学園応援団部。ガタイの良い男達が学ランを身にまとい、頑張る選手達を精一杯応援する部活。

「気合入ってますね」

「そりゃあ勿論! 野球部のねえうちの学校で、1番盛り上がるのは自転車競技部だしなぁ!」
「しかも今年は地元でインターハイが開催されんだ。応援も気合入るだろうよ!!」

練習場所に顔を出すと、いつも以上に懸命に練習をしている応援団部員たち。

「会長さんは応援に来るのか?」
「勿論。今年の大会は学校をあげての一大行事ですから!」




東堂は派手好きなやつだから。客がいればいるほどテンションが上がりそうだもの。


大会のお知らせのビラを作成し、放送で呼びかけ。

(私にできることを……!)














前日の夜、ふいに着信音が部屋に鳴り響く。
次の日も早いので、もう寝ようと思っていたところだから、思わず眉をひそめる。

(こんな時間に誰)

しかし、そこには「東堂尽八」の文字。

「?!」


「もっ、もしもし東堂?! 貴方、明日が本番でしょ?! こんな時間に起きていて平気なの?!」
『宮坂さん、そんなに大声で話さずともちゃんと聞こえるぞ?』
「うわ、あ、ごめん」

我ながら恥ずかしい。突然大声を出してしまった……!

『明日が本番なのは重々分かっている。体調管理は怠らんよ』
「じゃあ、どうして」
『君の声が聴きたかった……そう言ったら、笑うか?』

優しく囁くような声に、私は言葉を失う。

『宮坂さんの声を聴くと不思議と落ち着くのだ。それに、良い気分で明日、スタートを切れそうな気がする』
「……そんなこと言ってスタート失敗したら、私のせいになるでしょ」
『そんなことはない。俺は楽しみにしているんだ。宮坂さんに俺の本気の走りを見てもらえることを』

なんでそう、恥ずかしげもなくそんなセリフを言えるのか。私もこれくらい素直だったら……。

『初日、山岳リザルトのところで見ていてくれ。そこに、誰よりも早く辿り着く』
「うん……」
『あと、宣伝もしてくれてありがとう。お陰でいつもの倍以上の力が発揮できそうだ!』
「そんなことならお安い御用! 頑張れ、東堂」
『ああ……』





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