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箱根学園生徒会長でございます【弱虫ペダル】

第10章 我らの黄金週間


結局、私と真波君はプールから一旦上がってベンチに座ることにした。

「先輩ほんとにごめんなさい……」
「真波君が謝ることじゃないよ! 私も少し強がってる部分もあったから。足がつかなくなったら焦っちゃったよ」

私の言葉にようやく真波君の顔に笑みが戻ってくる。

「俺、自分の好きなことをとことん突き詰めちゃうんです。全てを放ってやりたいことをやっちゃう……。俺は山とか、坂を見ると登りたくなっちゃうんです。てか、自然が大好きで……」
「良いんじゃないかな? でもまあ、周りに迷惑かけないようにね」

真波君は自然が好きなんだ。今こうやって話していると、本当に真波君は楽しそう。そんな彼の笑顔が素敵で、叱るべき所なのに私まで笑ってしまう。

「でも、先輩と一緒にいる時間も好きです」
「それは嬉しいな! まだ会って間もないのに」
「一応去年の文化祭に会いましたけど、一緒にいる時間は少ないですからねー」

真波君は何を思ったか、私との距離を詰めてくる。

「真波君……?」

真波君は私の右手の上に手を重ねてきて、顔を近づけてくる。私と真波君の顔の距離は10センチあるかないか……。真波君の睫毛とか、きめ細やかな肌がすごいよく見える……。

「先輩、俺……「そこまでだ真波!!」」

どこからか東堂の声が。

「え、ちょっ?!」

後ろを振り返ると、東堂、新開、荒北の姿が!

「な、何でここにいるの?!」
「俺たちも思い出作りに来たんだよ」

新開君はウインクしてから私を撃ち抜く。

「先輩方いらしてたんですかー……」
「『いらしてたんですかー』じゃねぇヨ!! お前今宮坂に何しようとしてたんだ、アァ?」

荒北に至っては真波君と無理やり肩を組んで何かの事情聴取を行っている始末。

「宮坂さんは何故真波と二人でここに来ているのだ?」
「最初は1人のつもりだったんだけど、真波君をたまたま見かけたから誘ったんだよ」
「では、デートではないと」
「ん、まぁそうかな?」



「なら問題ないな! 俺たちも一緒に混ぜてくれんかね?!」




「いいよ! 5人で遊ぼうか!」



私の返答に新開君や東堂は喜んでいたけど、真波君が少し拗ねた表情をしているのが気になった……。



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