第10章 我らの黄金週間
「じゃあ、巻島さんは東堂と永遠のライバルってことなんだね!!」
「改めて言われると恥ずかしいけど……まぁ、そんな感じっショ」
照れた顔の巻島さんがとても可愛らしい。
「東堂はなんだかんだ気がきくし、優しいから好き」
「……」
「私が困ってたり、心が揺らいでるといつも助けてもらってる気がするんだ」
私の言葉に巻島さんは口を閉ざしたまま。
(待てよ、お見合いの席でなんてこと言ってるんだ私は?!)
「もももも申し訳ございません!! この場でいう言葉じゃありませんでした!!」
私が勢いよく頭を下げると、必死に巻島さんがそれを止める。
「構わないっショ! だいたい、俺も見合いとか早えと思ってたし……」
「かたじけない……!」
「だいたい、お前……東堂のこと好きっショ?」
やはり、巻島さんにもそう言われてしまうのか。
「……そのことなんですけど、私は恋というものがわからなくて」
「ま、宮坂さんはそのままでいいっショ。告白する側よりされる側っぽいからな」
「嬉しいことを言ってくれるね」
そんな調子で私たちのお見合いらしきものは終わった。
「楽しかったよ、巻島さん。巻島さんならお見合い相手でも全然OK!」
「……そういうこと言うから男は惑わされるんショ」
「ん? 何か言った?」
「なんでもねーよ! こっちも楽しかった!」