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箱根学園生徒会長でございます【弱虫ペダル】

第8章 3年の春




「……………新入生の皆さん、ぜひ楽しい学校生活を送ってください!」


入学式の生徒会長の言葉も2度目だ。もう場慣れした気がする。




「宮坂チャンは今日も仕事なワケェ?」

入学式後、生徒会室に籠っていると自転車競技部の面々が遊びに来る。

「勿論! 新規生徒会メンバーの勧誘も頑張らなきゃいけないしね!」

ちなみに生徒会室のソファは福富君、荒北、東堂、新開君に占領されています。

(ったく、ここをなんだと思ってるんだか)

ため息をつきつつも、彼らがここにいることに心地良さを覚えてしまうのも事実。何も言えない。

「ポスター貼ってくるから、来客があったら引き止めておいて。すぐ戻ってくる」

私は生徒会勧誘のポスターを片手に生徒会室を出た。

そして校内の1年生の教室がたくさんある棟に行き、ポスターを貼っていると……

「会長ー!」

そんな声が廊下の反対側から聞こえる。

「?!」

声の方を振り返ると、目の前に人が立って……!


「あ、ま、真波君……?」

アホ毛が立っていて愛嬌のある顔。間違いない、文化祭で会った真波君だ!

「覚えてくれてたんですねー!」
「本当に来てくれたんだ! 嬉しいよ真波君!」
「1年間よろしくお願いしまーす」

真波君はニッコリ笑って私の手をとる。

「俺、あの時から先輩のこと、すっごく気になってたんです。……だから、こうやって会えて嬉しいです」

(かっ、可愛いっっ!)

もしかしたら私は年下趣味なのかもしれない……!

「そうだ、先輩。この学校の自転車競技部のこと、詳しく教えてもらえませんか?」
「困ったな、私は詳しく知らないんだよな……。あ! 今、生徒会室に自転車競技部の人達がいるから彼らに聞いてみたらどうかな?」
「そうですね、ありがとうございます」
「じゃあ、案内するね!」


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