第6章 2度目の文化祭
「さて、本日集まったメンバーは先日行われた箱学美男美女ランキングの上位5名に入り、さらに文化祭で飲み物の販売を手伝ってくれると言ってくださった方々な訳ですが」
放課後の生徒会室に集まったのは東堂君、新開君、私、そして私と同い年の女生徒の天宮凛花さんだ。
「これしか人数が集まらないとはね」
新開君の苦い表情も無理もない。4人だけではシフトを作っても休まる時間があまりないから。
(ミスター箱学の東堂君に、ミス箱学の天宮さんが来てくれたのはありがたいけど、やっぱり厳しいか)
「あたしのことは気にしないで! 必要とあらば、ずっと飲み物販売のコーナーにいても構わないし」
そう言って明るい笑みを浮かべる天宮さん。茶髪で巻き髪なことからイマドキな印象を持たれがちだけど、実際はすごく情に熱く優しい女の子だ。
「それはさすがに申し訳ないから! まさか私が2位になるとは思わなかったけど、その分働くから大丈夫。本番はみんなが休めるように計らうから!」
私が頭を下げると、新開君が私の頭にそっと触れる。
「おめさんはいつも人のことばっかりだな。少しは俺たちを頼ってくれてもいいんだぜ?」
「……けど、私が言い出しっぺだから」
「俺は宮坂さんに助けてもらったこともあるし、これでイーブンってところでいいだろ?」
新開君はそう言ってウインクをする。天宮さんもそっと頷き、「あたしも会長にはお世話になったから」と私の手をとる。
「新開に言いたいことを全て言われてしまったが、まぁいい。俺たちはいつでも協力するぞ、宮坂さん!」
それから準備は着々と進み、何事もなく私達は文化祭当日を迎えた……。