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箱根学園生徒会長でございます【弱虫ペダル】

第5章 2年〜夏休み〜


それぞれ買い物を済ませ、また全員でお神輿近くに集まる。

「荒北ッ! なぜお前がカキ氷を持っているんだ!」
「りんご飴の屋台の近くで売ってたんだヨ」

ブルーハワイのソースがかかったカキ氷を満足気に食べる荒北とりんご飴を2本持っている福富君。私は焼き鳥を食べながら荒北をみる。

「んだよ、そんなにこっち見てきて」
「荒北、カキ氷一口頂戴よ」
「ハァ?!」

あからさまに狼狽する荒北。なんでそんなに焦るの?

「タダじゃくれないってことか。ほら、じゃあこれあげるから!」

荒北に焼き鳥の串を向ける。

「喉貫いたりしないから大丈夫」
「怖ぇこと言うんじゃねぇよ!!」

荒北は小さく溜息をつき、焼き鳥にかじりついた。その間に私は荒北のカキ氷を頬張る。

「ん、カキ氷おいしー……って、何見てんの?」

東堂君は口をパクパクしてるし、新開君は目を見開いて焼きそばを食べる手を止めている。

「おめさん、高校生の女子が気軽にやっていいことじゃないぜ、それは」
「しかも、よりによって荒北と」
「オメェ何言ってんの?! 「よりによって」って何だよアァ?!」
「りんご飴美味い」
「福チャンちょっと黙っててェ?!」

そうか、これは俗に言う間接キッスというやつか。


「まったく、そんなことを気にするなんて、みんなピュアだなぁ!!」
「「「おまえ(おめさん)がおかしいだけだ!!!」」」

とまあ、色々ありましたけど。


「私、歩きだからもう帰るね。夜10時回りそうだし」

あれから射的やらヨーヨーすくいやら数々の出店を回って遊んだ。

「今日は本当にありがとう。すごく楽しかったよ」
「俺もだ。来てくれて感謝する」
「まァ、楽しかったけど」
「俺も楽しかったよ、また遊びに行こう」
「俺も楽しかったぞ! わーっはっはっはっ」

東堂君が笑ってるのを見て、ハッと思い出す。

「東堂君、ここに来る途中助けてくれてありがとうございました!!」

私が勢いよく頭を下げると、東堂君を除いた3人が混乱する。

「何かあったのか? 尽八」
「オメェが人助けかよ」

「な、何でもない! 大したことではないからな! お、俺は宮坂さんを家まで送っていく! じゃあな! わーっはっはっはっ!!」


東堂君はその場をごまかすように、私の手を引いてかけていった。




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