第12章 ぴぴつわで片想い
すぐに店を出て、俺は全力で走る…
2300円の会計は小銭がないことで3000円を乱暴に置くことになった。お釣りは入りませんなんて言ったの、これが初めてだわ。
つわ「木条…木条…」
途中、自分とあんまり変わらない背丈の女と歩くP-Pを見掛けた気がした。でもその隣は、明らかに木条じゃなかった。
つわ「…やっと、見つけた」
大分走ったと思うぞ、俺。木条はどこだか知らない土手で体育座りしながらうずくまってた。
つわ「木条!」
『!…せ、先輩…?』
つわ「!!!」
目を真っ赤にして、鼻水を顎まで垂らして泣いていたことは振り返ってから気付いた。
初めて見た。木条の本泣き。いやそもそも泣いてるとこなんて見たことなかったか。