第18章 実況者で密室(エレベーター編)
キヨ「…めんどくせぇ」
「……」
やっぱり…この人はこういう人なんだ。こんな人を今まで好きでいたなんて。自分がどうしようもないくらい情けない。
「この…」
もうすぐ1階に着く…だから降りるタイミングで"このクズが"って捨て台詞を吐いてやろうと思った。
キヨ「……」
「く…!」
なにこれ…目の前にキヨさんの顔があって、唇に柔らかい感触と熱さを感じる。そしてそれは数秒で離れ、エレベーターは1階へと着いた。
キヨ「…後悔してたんだよね」
「え…」
この状況に、私の頭はまったく付いて行けていない。
キヨ「…次はこっちからちゃんと言うから」
そう残して、キヨさんはエレベーターを降りて行った。
後日彼に会うと、早々に頭を下げて告白されました。そして私はいくつかの怒りと不満を彼にぶつけました。しかし彼は歯向かうことは一切せず、謝るばっかりで、そのとても彼らしくない別人のような更生ぶりに、折れてしまいましたとさ。めでたし、めでたし。