第18章 実況者で密室(エレベーター編)
でも…
あろ「おい」
「!」
聞いたこと無いくらい不機嫌そうな声が背後から聞こえた。
男「…何か用?」
あろ「お前に用は無ぇよ」
そう言うと彼は、私の腕を力任せに掴んだ。
あろ「…行くぞ」
「えっ!?ちょっと!」
同級生を置いて、彼は私の腕を引いて行く。
「ねえ!どこ行くの!」
あろ「…帰る」
「はあ!?」
なにこの急すぎる展開、嬉しさもあるけど動揺を隠せない。
そして彼は、ちょうどその階にいたエレベーターに私を連れて乗り込んだ。そして1階を押して、腕を組んで壁にもたれる。
「どうしたの急に…」
あろ「……」
聞いても何も答えようとしないし。あからさまに機嫌悪いし。
「はぁ…私戻るからね」
本当はこのままふたりでいたいけど、さっきみたいに好意を寄せてくれる男性がいるなら、もう彼のことで傷つかずに済むんだから。