第18章 実況者で密室(エレベーター編)
しかし突然再会して何があるわでもなく、こんなに好きだと自覚するんだったらちゃんと連絡を取っていればよかったと後悔している。
そもそも彼が当時付き合っていた彼女と同じ大学に行くなんて言わなければ、同じところに進学しようと思っていたのに。
男「木条さん、だよね?」
「えっ」
男「俺のこと覚えてる?3年の時に同じクラスだった…」
「ああ!」
ひとりでモヤモヤとしていると、学生当時には話したこともないような人が話し掛けてきた。彼に当時の面影は無くて、今時のお兄さんって感じ。
男「俺さ、実は当時から木条さんのこといいなって思っててさ、でもそん時の俺全然さえなかったから…」
あれ……?
男「でも、あの頃よりももっと綺麗になった木条さん見たら…」
この感じは…まさか…?
男「良かったら、このままふたりで抜けない?」
あぁ…もういっそあいつのことは忘れて、新しい恋を始めるのも悪くないかな。
私は少し考えて、頷こうとした…