第12章 F3
西「だいたい、学校内ってのがな。
それはよくねえよ。
今の俺にはありえないな。
まさに発情した貧乏高校生じゃん。
そんなのF4らしくねえだろ。」
美「司ん家かお前んとこのホテル使えよ。
あとは別荘とか?
あ、でも陽南ちゃん門限あるし、泊まりで旅行なんてダメそうだな。」
道「そうなんだよ。
もう俺たちとの外泊を許してもらえそうにねえんだよ。
ほら、あの島に二泊三日で行っただろ?
俺が業務提携とか適当なこと言ってさ。
ま、すぐに俺のでまかせだってバレるわな。
それ以来、特に母親の方が俺に対して警戒緩めねえのな。
この俺がまだ家に上げてもらえねえんだぜ。
さすがだよな。
そこらはちゃんとした家なんだよな。
陽南は両親にとても愛されて大切にされてんだよな。
だから俺は陽南の両親の前では、今のところきちんとした道明寺家のお坊ちゃん演じてるから。
陽南の両親って最近こっちに越してきただろ?
昔の俺のちょっと自由奔放過ぎた行動までは知らねえのな。
きっと知ったら完全にビビって陽南と付き合わせない気がする。」
西「おいおい、あれを自由奔放って表現にするか?
まあ、逆に親をビビらせて陽南ちゃんを思いのままにするっていう手もあるかな?」
道「馬鹿野郎」
道明寺の拳が西門を襲う。
西「痛って…。手加減しろよ。
てか、また一泊でもできればなあ。
アソコ触られそうになったからって肘鉄食らわすような女だったら、昼間っからはほぼ無理だよな。」
美「空手強いらしいしな。
心の準備できてなかったらきっと肘鉄どころじゃ済まねえよな。
ま、焦らず気長に絶好のチャンスを待つしかないと思うな。
牧野の時よりは進展してんだろ?」
道「進展してる分辛えんだよ。
牧野みたいに全くダメならその気になることもなかったんだけどな。」