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花より男子 〜つくしの従姉妹の物語〜

第5章 想い


道「ここ、いいか。」
陽「あ、は、はい。ど、どうぞ。」
心臓がバクバク言ってる。
道「大丈夫だよ。もう殴りゃしねえって。
とても寝れなくてさ。
外で頭冷やしてたらお前が見えたから。」

陽「わ、私も頭冷やしてたとこです。」
道「悪かったな。口、切れてたよな。大丈夫か?」
陽「はい、このくらいは。
空手でもたまになってたし。」
道「そっか。でも本当にごめん。
女を殴るなんて最低な奴だよな。」

陽「もういいですって。」
道「あとさあ、ありがとな。」
陽「え?」
道「俺を止めてくれたことだよ。
確かにあのままキレてたら…。
いつもの俺だと類や牧野に取り返しのつかないことしてたかもな。
いつも冷静になった時に後悔してたんだ。
でも今日はいつもほどじゃない。」

陽「私はやめるきっかけを作っただけです。
結局、道明寺さんの意思で止めることができたんです。
今までの道明寺さんから少しは変われたのかもしれませんね。」
道「そ、そうかな?自分でもちょっと驚いてる。
今まであそこまで粘り強く止めてくれた奴はいなかったしな。」

陽「そうなんですか?ご両親とか。」
道「あいつらは年に一度しか帰って来ねえしな。
召使の厳しいババアもいたけど、俺の方が体でかくなるとな。
唯一そういう立場の姉貴も、大人になってだんだん忙しくなると家にあんまりいなかったし。」

道明寺さんはお金持ちすぎて寂しい環境だったんだな、って初めてわかった。
そう考えると心を許し切ってたつくしと花沢さんが、自分を裏切ってるとこを見てしまったら、逆上するのもほんの少し理解できる。
でもあのままだと、花沢さんを殺しかねない状況だったなと思い背筋が寒くなる。


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