第3章 血
「お前ら遅過ぎる!轢くぞ!」
腕を組んで俺や真ちゃんを起こる。2つ年上の宮地清志さん。やっぱり、おっかねーな。俺は、笑いながら宮地さんに謝る。
「すんませーん、宮地さん。真ちゃんのラッキーアイテム捜しで時間掛かっちゃいましたー!」
「はぁー?ラッキーアイテムだー?それで、遅れたのか。焼くぞ!」
更に不機嫌な表情を浮かべる宮地さん。てか、笑顔が黒い。こえーな…。ふと、あの女子が気になったからその方向を見ると、その女子は人気のスイーツ店に入って行った。
流石に、もう様子見るのは止めとくか…などと思った為、【鷹の目(ホークアイ)】を止める。真ちゃんに言った質問を宮地さんにもしてみることにする。
「宮地さーん!血の匂わない女子っていると思いますか~?」
「今度は、急になんだよ?血の匂わない女子っていねーよ!何当たり前の事言ってんだ?埋めんぞ?」
やべー、不機嫌な表情をしているのに更に不機嫌になっちまった。チラッと真ちゃんの方を向くが、真ちゃんは俺を助けようとはしない。というか、見捨てられている。てか、ひでぇーよ~。
助けてくれたっていいじゃないかー、真ちゃーん!!俺は、真ちゃんにヘルプを求めるが、真ちゃんはふん…とそれだけを言って視線を俺から外す。
「此処で、ふざけている場合じゃねぇーよ。次の場所に行くぞ。」
「は~い、宮地さん。行こうぜ、真ちゃん!」
「ふん、分かっているのだよ。」
そんなワケで、俺達は移動を始める。勿論、今回の獲物捜しだ。流石の吸血鬼は、毎日血を吸わなくてもいいが、必要な日がくる。それが、俺にとっては今日だ。というか、さっきの女子も気になるんだよな~…。
血の匂いはしなかったが、どんな味なのか興味はある。ちょいと、今度試してみよーかな~。