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吸血鬼VS吸血鬼【黒子のバスケ】

第5章 特別


「だ、大丈夫かよ!?」

「う、うん…!大丈夫だよ!!」

癒貴の目元には涙が溜まっていたが、大翔を安心させるような満面の笑みを浮かばせる。それを見た大翔は、ほっ…と胸を撫で下ろし癒貴の頭を撫でる。

「安心した…。沙耶さんか優斗さんのどっちかが、帰って来るまで待ってる。」

「え?でも、迷惑じゃ……。」

癒貴は、目を丸くさせて大翔を見てしまう。その時、大翔は呆れた表情をしてから癒貴の額にチョンと突っつく。

「バーカ…。また、吸血鬼に襲われるだろうが…。今の状態で、お前は抵抗できるのかよ?」

大翔の一言に、うぅ…と言葉を詰まらす癒貴は難しい表情をする。勝ち誇った大翔は、ニヤリと笑い靴を脱ぎリビングへと向かう。

「え、ちょっ…!?ま、待ってよー!」

癒貴は、慌てて大翔の後を追いかけていく。リビングに入った大翔はドサッ!とソファーに座る。

「やっぱ…、お前の家…安心するわ~…。」

「急に何言ってるの?」

大翔は、天井を見上げながらポツリと呟き癒貴に伝える。勿論の事、いきなりそんな事を言われた癒貴は、一瞬だけ戸惑いを見せる。

そうしたら、すぐに大翔は苦笑を見せて言った。

「いや、なんかさ……。お前が居なくなりそうな感じがしたんだよ。」

「私が……居なくなる?」

癒貴は、信じられないのか目を丸くさせる。しかし、大翔は忘れてくれ…と言葉を後から付け足す。
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