第3章 血
学校帰りの夜、部活により遅くなってしまった。癒貴の親友である彩矢と一緒に帰っていたのだ。彩矢は、スマートフォンをいじりながら歩いていると…。
「ねぇ、また変な事件が起きたよ…。」
「ん?どんな事件?」
癒貴は、彩矢に質問をすると、コレだよ…と言いながらスマートフォンを癒貴に見せる。其処に書かれていたのは…。
『草むらの上に、6人の女性の死体を発見。それも、共通点がありその女性の顔は真っ青であり、首筋には2つの穴があった。』
そんな事が書かれていた。癒貴は、ふ~んと言いながらスマートフォンを返す。興味がないみたいだ。彩矢は、興味ないの?と不思議な表情を浮かべる。
その時、あっ!といきなり声をあげる彩矢。それに対して、癒貴はどうしたの?と声を掛ける。彩矢は、パァァーと顔を急に明るくさせて言った。
「明日、学校休みじゃん!あたしさ、実は行きたいスイーツ店があるんだけど、癒貴も来ない?」
「スイーツ店?いいよ、暇だからね。」
癒貴がそんな事を言ったら、やったね!と満面の笑みを浮かべる彩矢。やがて、2人は別れて家へと向かう。
家に着いた癒貴は、早速明日の事を両親に伝える。
「スイーツ店か、いいぞ。楽しんでこいよ。」
満面の笑みで癒貴に向かって言う。この人物は、癒貴の父…優斗だ。優斗は、吸血鬼だ。そして……。
「私も行ってみたかったな~。お土産、楽しみにしておくね。」
羨ましそうな表情を浮かべる癒貴の母。名前は、沙耶という。普通の人間だ。