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吸血鬼VS吸血鬼【黒子のバスケ】

第4章 吸血衝動


旅館に帰った僕は、彼女の血の味を思い出す。あれは、一度でも口にしてしまえば忘れなれないほどの、甘美なものだ。

僕は、自室に戻ろうとした時、僕の後ろから声が聞こえてきた。

「赤ちん、何か甘い物食べた~?凄い、いい匂いするんだけど~?」

「敦か…。」

今、大好きなまいう棒を食べながら僕に話し掛けてくる紫原敦…それが彼の名前だ。吸血鬼の中で、一番嗅覚が敏感なのは彼だ。多少の匂いだけでも分かってしまう。

「あぁ、今日のご馳走を頂いただけだよ。」

「ご馳走って、血のこと~?今回は、当たりだね~。凄い美味しそう~。」

敦が羨ましそうに僕を見てくる。やはり、彼の嗅覚は、凄いと分かる。だけど、彼に教える義理はないよ。教えた所で、彼女が奪われる。

また、他の奴らが彼女を狙い血を吸うだろう。だから、彼女に忠告をしておいた。彼女の血は、僕のモノだ。誰にも渡さない。

「それじゃあ、僕は自室に戻るよ。食べ歩きは、あまりよくない座って食べろ。」

僕は、敦に向かってそんな事を言って自室の扉を開け、すぐに閉める。彼女の血は、特別なモノだ。それは、恐らく他の吸血鬼達も飲めば分かる。

彼女の血は、何か秘めている。絶対に、彼女は僕のモノにする。
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