第4章 吸血衝動
いつも通り学校が終わり、珍しく癒貴が1人で帰っている時だった。辺りは既に暗く、道も怪しかった。部活で遅くなってしまったのだ。
癒貴の前から足音が、聞こえてきた為思わず歩く足を止める。其処にいたのは、黄瀬だった。
「どうも、お久しぶりっス。」
笑顔で黄瀬は、癒貴に挨拶をする。その姿を見た癒貴は、目を丸くさせていたがやがて、ペコっと頭を軽く下げる。黄瀬は、堅苦しい事なし、と言い出して癒貴は、敬語を外す事にした。
「黄瀬君、こんな所で何をしているのですか?」
そう、いきなり黄瀬の後ろから声が突然と聞こえてくる。黄瀬は、兎のように飛び上がる。勿論の事、癒貴も驚いていた。癒貴と変わらない水色の髪をした男子がいた。
「おい、黒子!勝手に消えるなよ!」
「それはすみません。黄瀬君が見えたので…。」
よく見ると身長がかなりあって、赤い髪の毛が目立つ男子も来た。癒貴は、戸惑いながらも黄瀬に質問する。
「黄瀬のお友達?」
「そうっスよ!黒子っちと火神っちっスよ!」
「どうも、初めて。黒子テツヤです。」
「火神大我だ。」
黄瀬に言われたのか、それともついでなのか2人は癒貴に自己紹介をする。それもお互いに初対面で……。その自己紹介を茫然と聞く癒貴。
「ところで、君の名前は?」
黄瀬からの質問だ。そうだ、癒貴はこの3人にまだ自己紹介をしていなかったのだ。
「霧山癒貴です。」
「癒貴っちね!宜しくっス!」
黄瀬に変なニックネームを付けられた癒貴は、首を傾げる。