第3章 血
ちょいと、出掛けて帰ってくると、やけにリビングから五月蝿い声が聞こえてきたから、除いたら、黄瀬涼太と青峰大輝がいた。俺は、リビングに入って2人に聞く。
「あれ?2人して何話してるんだ?」
「高尾か…。ん~いや、黄瀬がみょーな事言い始めたんだよ。」
「青峰っち、妙な事じゃないっスよ!本当っスよ!!」
青峰の一言に、すぐに反論する黄瀬。ついでに、俺も黄瀬の話に興味を持った為、椅子に座り黄瀬の話を聞く。
「妙な事ってなんだ??」
「それが、血の匂わない女子が居たんスよ。」
黄瀬の一言に、俺は目を見開く。俺だけじゃなかった。黄瀬も血の匂わない女子に会ったんだ。青峰は、意地悪そうな表情を浮かべて言った。
「お前の嗅覚がおかしくなったんじゃねぇーか?」
「おかしくないっスよ!!」
この2人のやり取りに、俺はブハッ!と吹き出すように笑う。
「俺も会ったぜ!血の匂いしない女子に…な?」
俺が言った言葉に、黄瀬と青峰の動きがピタリッ!と止まる。それも2人同時な為、俺は腹を抱えて更に笑う。不意打ちなのか、青峰が真顔で、マジか!?と驚きの声を出して、更に俺は笑う。
これ以上、笑ってたら死んじまうって~。
「けどまぁ…血の匂いしない女子が存在するって事が証明されたな。」
俺は、笑うの止めて真面目な顔をすると、黄瀬が、ニヤリと怪しげな笑みを浮かべて俺に向かって言った。
「あれ?もしかして、高尾っちって…あの子の事、狙ってるんスか?悪いっスけど、その時は容赦しないっスよ。あの子は、俺が貰うっスよ。」
「えー、マジかよ。まっ、俺も狙ってたしな。あの子の血には前から興味があるからな。」