第3章 血
家に帰った私は、机の上に買った物を起き自分のベッドへと寝る。そのままの体勢で、天井を見上げる。そして、溜息を1つ零す。
お父さんから聞いた話だが、吸血鬼には吸血衝動があるみたいだ。しかし、今の所私は吸血衝動にはなったことがない。
吸血衝動が始まるとか、完全なる吸血鬼へとなるらしい。血を求め、それを食す日が来るらしい。だが、それすら私は来ない。
要は私は、まだ完全なる吸血鬼ではないという事だ。覚醒をしていないみたい。覚醒したところで、私はあんまり喜ばないだろう。幼馴染の大翔に迷惑を掛けてしまう。
それがどうしても嫌だった。それに日常で、吸血鬼が普通に暮らしている為、誰が吸血鬼なのかはっきり言って分からない。私の能力を使えば、一発で分かるが…ある意味これは私にとっては自殺行為である。
吸血鬼の瞳にならないと、相手を確認出来ない。それと同時に、私も吸血鬼だという事がバレてしまうという事だ。
「……吸血衝動か~。このままバレずにずっと、平和が続けばいいな~。」
私は、ポツリとそんな事を言った。しかし、この平和が長く続かなかった。歯車がどんどん崩れていく事を……。