第3章 血
ある広い旅館に着きリビングに、1人でいたら脳裏で、高尾が言っていた…血の匂わない女子という言葉に気になった。
もし、高尾の言ってた事が事実ならおかしな事なのだよ。そんな女子など、存在しないのだよ。そんな事を考えていたら、俺の後ろから声が聞こえてきた。
「深刻そうな顔をして、どうした?真太郎…。」
そう、俺の後ろ…赤司がいた。赤司征十朗…それがアイツの名前だ。俺は、赤司に別に…と素っ気ない返事を返す。しかし、赤司は俺の言葉を無視して、隣の席に座る。
そして、無言で待つ。その行動に俺はついに痺れを切らして1つの溜息を漏らし、俺は高尾が言っていた事を赤司に話す。
赤司に全てを話すと、赤司はへぇ~…と面白そうに言葉を漏らしていた。そして、どこか不気味な笑みを浮かべていたのだよ。
「赤司、どうしたのだよ?」
「興味深いね、その子。今まで聞いた事ないよ。少し調べる必要があるみたいだ。特徴は、大体分かった。」
赤司は、そんな事を言いながら席を立つ。それも、満足そうな笑みを浮かべながら。はっきり言ってその姿を見たら、こっちが腹立たしくなったのだよ。
俺は、眼鏡のフレームを上げて赤司に質問をする。
「赤司、一体どうするのだよ?」
「いや、特にないが…。だが、血の匂いしないというのは、何らかの力が働いているに違いない。その子の血は、恐らく……格別なモノだろう。」
赤司は、それだけを言って俺に背を向けリビングを出て行った。あの赤司が格別っと言った時点で、凄い血を持っているに違いないのだよ。
しかし、こんな事を思っていても俺はその人物を見たワケではないから、捜す事は難しいだろう。だが……その人物の血には、興味があるのだよ………。