• テキストサイズ

厄介な天帝さん

第1章 1話


そして、そのお昼。
先生の授業が長引いたせいで私は購買に寄れずそのまま生徒会室直行となってしまった。
生徒会室には着くや否や全部の部長が揃っていて私を待つのみだった。
先生、こら。

生徒会長「全員揃ったようですので今学期の部活動報告会を行います。」

この会議にはもちろんあいつ(赤司)もいるわけでどうでもいいけど無駄に整った顔を無表情にしていたので怖かった。何度か視線を感じたはずなのに1度も目が合わないから私のフラストレーションは溜まりまくっていた。


生徒会長「これで今学期の会議は終了です、ありがとうございました。」

ようやく退屈な会議が終わりお昼にしようとしたが、今日はもう購買も終わり挙句後5分で予鈴もなるときた。
最悪だ〜。
諦めて教室に帰ろうとノロノロ歩き出した。

「山吹ー!!」

私「あ、逢沢くん!!」

逢沢「よっ!!お昼済んだ?」
私「いや、まだだけど、」
逢沢「だけど?」
私「購買に行きそびれちゃったからお昼ないや。」
逢沢「なるほど、そう言うことか。ほらっ」
私「ちょっ、、」

逢沢くんが急に渡して来たのは購買の焼きそばパンと小さないちご大福の入った袋だった。

逢沢「それ、山吹のクラスの子に持っていってって頼まれたやつだから後でお礼言っとけよ。」
私「みっちゃんかな?」
逢沢「知らねー。てか中庭行こうぜ!」
私「うん。」
私と逢沢敬太くんの関係はあまり知られてないけど所謂恋人関係。
去年の夏に逢沢くんから告られ、私も彼のことが友人以上の存在として意識していたから付き合いはじめたのが始まりだった。
逢沢くんは良き相談相手であり、彼も同じくスポーツをしててテニス部の部長だ。彼は頼りになるし何より良き理解者だ。
顔は何処かのシャラシャラしてるイケメンや何処ぞの帝王とは打って変わり爽やかな感じのイケメンだと思う。

逢沢「山吹、今日は何かあったんか??」
私「何で??」
逢沢「顔に書いてあるからな」
私「えっ!」
私は咄嗟に手で顔を抑えた。我ながら馬鹿な行動を取った。
逢沢「あははっ。山吹ってたまに面白い行動取るよなー、手、どけてこっち向いて?」
私「んっ?...んっ。」

彼の柔らかで少しかさついた唇があまりにも自然で当たり前のように触れるからいつの間にかこの感触に麻痺してしまっていた。

「ちっ。」
/ 54ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp