第1章 1話
教室に着くと''ガングロクロスケの馬鹿青峰くん''と呟いているさつきちゃんがいた。
桃井「おはよー!!かえでちゃんー!!聞いてよ青峰君が!!!!」
私「おはよ、どうしたの??」
さつきちゃんはどうやら青峰くんに作ってきた差し入れを返された挙句もう作ってくんな俺、試合に出れなくなんだろと言われたらしい。
桃井「もう、絶対作ってやんないんだから!!」
私「...うん、そーだね。」
さつきちゃんの料理の腕は去年の調理実習で同じ班になったあの日、私の班の数名が保健室に運ばれた時から知っていた。
お世辞にも美味しいと言えない料理は今や殺人兵器で、それを昔から体験していた幼馴染の青峰くんに同情してしまう今日この頃。
ごめんね、さつきちゃん青峰くんは間違ってない。
桃井「かえでちゃん何か言った??」
私 「あ、ううん!!」
桃井「それより、かえでちゃんも何かあったんじゃないの?」
私「へっ?!な、何で??」
桃井「女の勘?何てね、正門の方で凄いざわざわしてたから何だろって思って見たら、かえでちゃんがいたの!!」
私「だから私か。」
桃井「そ!!単刀直入に言います。ズバリ、赤司くんと喧嘩したんでしょう??」
ギクって音がなるぐらい私は姿勢を正してしまっていた。こういうところさつきちゃんは良く見過ぎているから、たまに怖く思う。
桃井「かえでちゃんと赤司くんて大人っぽいのに2人でいたら何だか口喧嘩良くしてるよね笑」
私「それはさつきちゃんと青峰くんもだよ」
桃井「そ、れは違うよ!!あれは青峰くんが悪いんだもん」
私 「ふふっ。仲良くて羨ましいな〜。」
桃井「仲良くなんかないもん、ていうかそういう2人はどうなの?あ、赤司くんだ」
私 「げっ。」
赤司「やぁ、桃井。と、何だその蛙を踏み潰した時みたいな声は。」
赤司は明らかにいつもより少しだけイライラしていた。
赤司「まぁ何でもいい。今日はお昼に部長会議がある、君が彼氏とやらとお弁当を食べるつもりだったか知らないけど、会議には遅れてくるなよ。」
私「はいはい、わかりましたよもー!!」
それだけ伝えて赤司はクラスに帰って行った。
桃井「...なるほど。」