第8章 8話
あのキスの後乱れた息もそのままに私達はどちらからともなく抱き合っていた。
私「ずっと、…ずっと、思っていた事があるの。」
赤司「何だい?」
私「私もね昔から征十郎だけが私の1番。大好きだったよ。…それは今もずっとそう。だから、私もあなたの1番になってもいい??」
赤司「あぁ、もちろん。俺もずっと楓だけが1番で大好きだ。」
そう言って私たちはまた、お互いの唇を求めた。
今度はもう触れるだけだった。
彼は私の額と目に軽く口付けると私の肩に顔を落とした。
赤司「そのままで聞いて欲しい。」
私「わかった。」
赤司「俺に何があっても楓は俺の事を受け止められるか?」
いつになく真剣でふざけた雰囲気を許さない空気に彼が冗談を言うはずがなかった。
私「そんなの余裕だよ。」
赤司「俺が俺じゃなくなったとしても楓は耐えられるか?」
私「それは、ちょっと驚いちゃうな。でも大丈夫。」
赤司「じゃあ最後だ。…全て終れば俺は楓の所に必ず戻ると約束しよう。だから、それまでは待ってくれるか?」
もう彼の問いに一つしか答えたは思い浮かばなかった。
私「征十郎が閻魔大王様になったって幽霊になったって鬼になったって私はずっと好きでいられる。それにどんなに遠い所にいても征十郎が帰ってくるなら私は永遠に待っとける。」
赤司「そうか。………それより閻魔大王や鬼は俺の悪口か?」
彼の真意はわからないが、彼なら絶対に何が起こっても大丈夫な気がした。
だから本気ではあったけど半信半疑で答えた。
私「だってそうでしょ??」
彼は諦める事を知らない勝利という血で出来たライオンだから。
赤司「ほう。…俺と意識が飛ぶまで体力勝負でもするか?」
それに彼には優秀な戦士がいる。
私「え、やだやだ。…んっ…ま…っ…ん……て…ちょっ……。ひゃっ。」
だから、何があっても征十郎なら大丈夫だ。
彼の事をよく知ってる私が言うから間違いない。
私は鎖骨と首に着いた赤い所有印を優しく撫で、シーツが揉みくちゃになったベッドの上で頬を抑えてる彼の首に吸い付いた。
彼の白い首には赤く残った痕が私たちの関係を証明していた。
目があった彼は恨めしそうにだが何となく照れた気がしていつものように私たちは笑いあった。