第7章 7話
彼と別れてから数日たった一週間、よくも悪くも進展するだろうと願っていたあいつとの関係は一向に何も起こる気配がなかった。それもこれも彼がバスケ部主将であるが故だった。
さつきちゃんの聞いた所によるとバスケ部は新人戦に向けて練習を強化していく予定だったそうだ。
だが、思わぬ自体が発生したらしい。
それは青峰くんがここ最近ずっと練習をさぼっていることだった。
帝光バスケ部のエースたるものがそんな事で許されるはずもなく、さつきちゃんが毎日彼を説得に行っているらしい。
何が彼をそんなに追い詰めたのかは知らないがとてもじゃないが信じられる話ではなかった。なぜなら彼はバスケが好きすぎるからだ。そんな彼が練習を休むなんてありえない話だ。
最近はそんな相棒の影響でか黒子くんも休む日があるのだそうだ。
さつきちゃんはそんな2人をどうにかしたいとよく私に泣きついてきた。
今からまた相談に乗ってあげるつもりで、また部活の30分休憩を使いさつきちゃんを体育館の外の階段に座って待った。
桃色「かえでちゃーん!!」
彼女の可愛い顔も綺麗な髪も何だか最近は悲しそうだ。
私「さつきちゃん、お疲れ様。外は寒いけど中はまだ自主練してる部員がいるからここで我慢してね。」
桃井「うん、もちろん。」
そういう彼女は羨ましそうに体育館の中の熱心にコートを駆け回るバトミントン部の1年生を見ていた。
私「あの子達ね、ようやくコート使わせて貰えて喜んでるんだ。本当はしっかり休憩をとって欲しい所なんだけどね。」
桃井「何だかいいね。懐かしい気がする。…きーちゃんが青峰くんに1時期1on1の相手をしてた頃思い出すよ。」
そういうさつきちゃんは懐かしそうにだけど悲しげに静かに私に話した。
桃井「本当はね、わかってた気がするのこうなるって事。…きっとテツくんも赤司くんも私と同んなじなんだろうね。
テツくんは青峰くんの親友だし相棒だから最初のうちはテツくんが説得すれば練習もそこそこ真面目にやってた。…だけどね青峰くんはそれから日を追うごとにどんどん上手くなってしまって気づいた時にはもう誰も彼の横に並べる選手なんていなかった。…それからは青峰くん誰の言うことも聞かなくなっちゃって。…うぅっう」
最後まで言い切れずついには我慢できなかった彼女の涙はゆっくりと地面に落ちていった。