第7章 7話
その次の日、私は久しぶりに逢沢くんと話すことになった。
彼は私の付けたネックレスに戸惑いと怒りを隠しきれず顔を歪ませていた。
逢沢「赤司の使いか??」
私「ううん、違うよ。」
逢沢「何だか知らねぇけど、俺は謝らないからな。」
私「知ってるよ、逢沢くんに私の話を聞いて欲しいんだ。」
そう言って私は胸元の銀のネックレスを外した。
彼は驚きもせずただじっと見ていた。
逢沢「俺が振られたなんて癪じゃないからな。俺から言わせて。」
私「…わかった。」
彼は一瞬悲しそうな顔をしたけどそれもやはり一瞬。私が瞬きをした時には笑っていた。
逢沢「俺はお前の隣にいるのがすげー辛かった。…それは別にお前のせいじゃねえ。俺が男としてはあいつにかなわなかったわけだからな。…まぁ俺は嫉妬深いし離れようとしたのは当たり前か。山吹今までありがとな。この関係は終わりだけど友達としてまた、相談に乗ってくれよ。」
私「ごめん。逢沢くん」
逢沢「ネックレスは悪いけど焼却炉に持っていって燃やして置いてくれないか?」
私「わかった。…私からも今でありがとね、逢沢くんはいい人だよ。私の話を親身になってくれたから。そこがあなたの魅力だと思う。私はそこに惹かれていた。それだけじゃない、別に嫉妬は私の事を本気で好きでいた証でしょ??いけないのは私の方だ、だから、ごめんなさい。」
話している途中も視界はくすんで前が見えにくかった。だけど、必死で堪えて最後まで言うと私は深く頭を下げた。
逢沢「最後にいいか?」
私「何?」
逢沢「これから山吹がどんなやつと付き合っても、もし泣かされたら俺のとこ来いよ!!赤司でもぶっ飛ばしてやるからさ!!」
私「うん!ありがと。」
逢沢くんは上を向いて2度軽く鼻をすすり、目をこすった。
逢沢「じゃあな!!」
私「うん。じゃあね。」
今ここで私と彼との関係に終止符が打たれた。
彼と別れた後私は彼が言ったとおり焼却炉の方へ足を進めた。
それは冬も真ん中にさしかかろうとしていたある日の事だった。