第5章 5話
キッチンで赤司は渋々ワカメの味噌汁を作り。
私は今日のメインディッシュにと用意した湯豆腐を作っていた。
お椀に入れる時は少しかわいそうだったのでワカメだけは抜いておいてあげた。
赤司&私「いただきます。」
作りたてのご飯を2人で食べるのは何気に久しぶりだ。
いつもは私のお母さんが作っていった物を温め直すだけ。
私たちの親は日頃忙しくあまり早く帰って来れないからである。
特に彼の親は深夜に帰ってくるそうだ。
家政婦も彼の父が最近は減らしてるのかあまり家に人がいなかった。
赤司「あっち、あちちち。」
猫舌の彼が湯豆腐をそのまま食べようとして舌を火傷したようだ。
私「ちゃんと冷まして食べないからそうなるんだよ、いつも同んなじ事なってるよね?!」
赤司「だって…温かいのを食べたいじゃないか。」
だってって…お子ちゃまか。
赤司「あ、今失礼なこと思っただろ。」
私「!?何でいつも喋ってないのにわかるの?!」
赤司「君の顔に書いてある。」
よく言われるけど私はわかりやすいらしい。それもこれもこんな無表情が多い幼馴染のせいかもしれない。
何だか今日は彼のいろんな面が見えた気がした。
赤司「そうだ、山吹が来た時から気になってはいたんだが何だそのネックレスは」
そう言って私の胸元で光る逢沢くんにもらったネックレスを指差した。
私「これは今日のデートで確か付き合って1年の記念?なんだって。」
赤司に言われるまでネックレスの存在を忘れていた。
赤司「なんだかお前、首輪されてるみたいだ。」
私「馬鹿。うるさい。結構これ気に入ってるのに…」
赤司「まぁいい。さてと、ご馳走様。美味しかったよ。洗い物はやっとくから皿だけは流しに持っていってくれないか。」
私「いやいいよ。自分が使った物くらい片付けなきゃね。」
赤司「そうか。」
彼は私にもやはり紳士的でレディーファーストしてくれる、が、口を開かなければの話。
私に対してだけ容赦ない言葉をふっかけるが普段はそんなんじゃないから本当に女子にモテる。まぁ、顔も良いのが関係あるんだと思うけどね。
そんな彼のバレンタインデイはいつも膨大な数のチョコを断れず貰って来ては私が食べる手伝いをさせられる。