第5章 5話
ベッドに腰掛け、今日は赤司に部活の事を聞いてもらいたまに助言してもらった。
逢沢君との大きな違いで横の彼は私によく指摘する。
私「最近、私の言う事を聞こうとしない部員がいるのよ。というか、私に敵意でもあるのかな?」
赤司「練習のメニューがきつかったり山吹の注意の仕方がまずいんじゃないか。」
私「んー。そもそも練習のメニューは私が作ってないし。んー、あーの時かなきつく言い過ぎたのかも。」
赤司「でも注意する事自体は悪い事じゃないさ、仲良しこよしの関係じゃ弱くなる一方だからね。」
相変わらず赤司の助言は重みがある。
私とはまず着眼点が違うんだから。
こういう所は流石キセキの世代の主将と言うべきか誰よりも頼れる存在だ。
私「征十〜郎〜。」
私がこういう風に呼ぶ時はふざけてる時と眠いとき。
赤司「…勘弁しろよ。」
そういうも彼は渋々だがダメだとは言わない。今日は何だか彼から離れてはいけない気がして彼に横から抱きつく形で目を閉じた。
赤司「ベッドで寝ろ。重いぞ。」
私「うるさい、」
私はそう言うとそのまま目を閉じ意識は深い海の底へ沈んで行った。
起きるとベッドの上で寝ていた。
だが、寝る前同様で彼に抱きついて寝ていた様だった。
彼は私に背を向け、且つ逃げようとベッドの端に追い詰められていた。
彼の顔を覗き込めばまだ寝ているようだった。
珍しい寝顔に少し魅入ってしまったが、起こさないようにゆっくり布団を出てすぐに洗面台に向かった。
私「うわー、パンダ。」
案の定、施してきたメイクは目を閉じてたせいで広がりパンダ状態の私。
赤司に見られるまいとすぐに持ってきたメイク落としで顔を拭いた。
洗面所を出て時計を確認すると、もう6時半になろうとしていた。
赤司の部屋に行くともう起きていたようで小さい子の様にまばたきをしたり目をこすったりを繰り返していた。
にしても、こんな短時間で寝癖をつけるとは流石天才。
赤司「お前の方が酷いぞ。」
私「えっ。」
赤司「鳥の尻尾みたいだ。笑」
言われて頭の後ろを抑えた。
私「今日はワカメの味噌汁に変更します。」
赤司「それは卑怯だぞ。」
赤司からの非難を無視し私はキッチンへと向かった。
生憎、味噌汁は作る予定だったので材料は購入済みである。