第5章 5話
公園でネックレスを貰った後、予定通り赤司の家に向かっていたが途中で晩御飯に湯豆腐を作る約束をしてたのを思い出して急いで買いに戻った。
着く頃には約束の時間を30分過ぎていた。
ピンポーン
赤司「開いてるぞ。…」
無機質な機会音の向こう側、少し彼の声がさみし気でいつもの覇気を纏っていなかった。
いつもは出迎えてくれるあいつも今日は来てくれない。
ガチャッ
私「おじゃまします。」
昼と言ってももう4時を周り夕焼けが差し込み始めたのにこの家は敷地が広いせいか全ての部屋に日が入っていなく暗かった。
玄関から廊下を歩いて右奥の部屋はこの家のリビングのような場所で1番広い。
覗いてみるが彼はいない。
そして、その部屋を曲がり階段を登って右手にすぐのあいつの自室にそいつはいた。
私「何、拗ねてるの??笑笑」
彼の部屋の1/3くらいを占めていたベッドの中央に膨らみがあった。
赤司「山吹が悪いんだぞ。」
布団の中から出る気は無いらしい。
けど、まだ口を聞いてるから怒ってはいないらしい。
私は近づいて布団を引っぺがした。
赤司「あ、何をする!?」
ベッドの中央で丸まっていた、彼は猫みたいだ。
赤司「笑ってないで布団を返せ。俺は軽く仮眠を取りたいんだが。」
彼は珍しくわがままで子供のように膨れている。
赤司「お前は彼氏とデートの約束があるなら何故そう言わなかった。」
私「ごめん。でも、赤司には関係ないんじゃないかと思って。」
赤司「まぁ、いい。」
今日はガミガミ言わず何処かぼうっとしてる彼はいつもの何倍も口数が少ない。
そんな彼に近づいてベッドの隣に座った。何となく喋れる空気じゃなかった。でも、何も喋らなくても私たちの時間は早く進んでる気がした。
でも、このままは耐えられなくて私から口を開いた。
私「今日の服、どう思う。」
赤司「いつもとは雰囲気が違うな。きっと大人っぽさをアピールしたかったんだろうけど老けて見える。」
やっぱり、こいつはこいつだった。
少しいらっときたから赤司の両方の頬っぺたを摘まんで横に思いっきり引っ張ってやった。
赤司「いひゃいいひゃい、はなへ。」
私「デリカシーがないのよ!!」
私たちは互いに顔を見合わせて笑いあった。