第22章 花と空の別れ
桜side
初めて聞いた一角の本音。
初めて聞いた一護の心の底から怒った声。
一角はごめんと言った後、伝えたかったのはそれだけだからと言ってこの場を去って行った。
…少し眉が下がった悲しいような顔をして。
あたしは涙があふれてきた。
…なんだろう。
……言葉にできなかった。
一角の思いも、一護の怒りも。
頭のなかがぐちゃぐちゃでどうしたらいいかわからなくて。
あたしが泣いている間も一護はずっとあたしの傍にいてくれた。
一護「…大丈夫。桜は嫌われていたわけじゃねえ。少なくとも俺はお前のこと大切に思ってるしなにがあっても信じる。それはきっとこれから先の瀞霊廷の人たちもそうだと思う。」
一護はいつだってあたしが1番ほしい言葉をくれる。
それでやっぱり思うんだ。
ああ、やっぱり好きだなあって。
一護の傍にいるとドキドキするのに落ち着く。
記憶が戻った今なら心の底から言える。
あたし一護のことが好き。
「ねえ、一護?」
一護「どうした?」
「いつもありがとう。」
一護「なんだよ改まって(笑)
こちらこそいつもありがとな、桜。」
この時間がずっと続けばいいのに。
藍染なんかいなくなって平和になって…。
そしたらあたし一護にちゃんと好きって伝えられそうな気がするよ。
それからしばらくしてあたしと一護と一緒に四番隊に戻った。
何週間かは療養の日が続き、毎日一護はお見舞いに来てくれた。
そして……
各隊長も謝罪の言葉とともにお見舞いに来てくれた。
そして総隊長から言われたんだ。
山本「瀞霊廷に戻ってこないか。」
一護たちが現世に戻る2日前のことだった。