第22章 花と空の別れ
一護side
一護「桜のことを考えたら…魂が成仏できなかったとしたらってこと考えなかったのかよ!?信じていた奴らに裏切り者扱いされた挙句に墓なんか作られて花まで添えられて…。余計にこの世界から離れられなくなるの分からねえのかよ!?」
一角「そんなの俺たちが1番分かってるに決まってんだろ!今まで何人の魂を送ってきたと思ってんだ!」
一護「じゃあなんでこんなことしてんだよ!?」
一角「そうせずにはいられなかったんだよ!」
そう言いながら一角は俺の手を払う。
俺と一角はお互いに息を切らしながら叫んでいた。
そして一角がぽつりぽつりと話し出した。
一角「…そうせずにはいられなかったんだよ。
俺だって…他の奴だってそうだったんだ。
みんな…桜のこと信頼してたし大好きだったんだ。」
一護「…じゃあなんで桜を信頼してやらなかったんだよ。」
一角「…あの状況で…藍染隊長と桜…。同じ隊長という立場の人間が…全く逆のことを言ってて、藍染隊長のほうは怪我をしていてってなれば…藍染隊長のほうを信じることしかできなかったんだ。」
そこから一角は少しずつその時のことを話していた。
一角の言葉1つ1つが重かった。
対立していた人間が瀞霊廷でいう最高に位の高い隊長という立場の人間で。
どちらも隊士、他の隊長たちからの信頼もあつい。
そうなったときに隊長歴の長い藍染が怪我をしていて、隊長の中でも最も歴の短い桜が血を浴びていて。
一角「…俺だって藍染隊長があんな人だなんて思ってなかった。俺だけじゃなくて瀞霊廷のみんなが藍染隊長に騙されたんだ。」
その1番の被害者が桜…。
「…ッ…!」
桜は肩を震わせて泣いていた。
俺はそっと桜の手を握る。
そうせずにはいられなかった。
一角「…これだけは言いたかった。桜すまなかった。今更言ってもどうにもならないってわかってるが言わせてくれ。あの時、信じてやれなくてごめん。」
「…だ、いじょうぶ。その言葉が聞けただけでなんか安心した。嫌われたわけじゃなかったんだなって。」