第22章 花と空の別れ
一護side
桜の霊圧をたどって着いたのは
綺麗な花畑だった。
…桜みたいなところだな。
そんなことを考えながら
花畑を進んで行く。
少し進むとその先には見知った人物が1人いた。
一護「一角?」
一角が桜と向き合って何かを話している。
その時の桜の表情が、困ったときの顔だった。
一護「桜!」
すぐに桜の傍に駆け寄る。
振り向いた桜の顔は…なんて言うか
…安心したような表情をしていた。
そんな顔すると俺、勘違いするぜ?
俺が来るのを待っていたんじゃないかって。
「一護!…どうしてここにいるの?」
一護「お前が病室にいないって花太郎に聞いたから霊圧をたどって追いかけてきたんだよ。」
「あ…そっか。あたし黙って抜け出してきちゃったから。」
一護「でもなんか理由があるんだろ?じゃないとお前が何も言わずに消えたりすることはねえじゃねえか。」
「…うん…ちょっと…ね。」
そう言いながら近くにあるものに目を移す桜。
俺も視線をそっちに持っていく。
そこにあったのは……
一護「お墓……。」
一角「…それ桜の墓だよ。」
一護「なんだと!?」
桜の墓。
その言葉を聞いて俺は一角に掴みかかってしまう。
「一護!」
一護「…どういうことだよ、説明しろよ。
なんで…生きてる人間の墓なんか作ってんだよ!」
一角「……死んだものと思ってたからな。」
一護「桜が死にかけたのはお前らのせいだろ。」
一角「…それは間違いねえな。」
俺と一角はにらみ合う。
なんで自分たちで殺した奴の墓なんか作ってんだ。
魂が成仏しなかったらその魂は彷徨うんだぞ。
もし桜が本当に殺されていてこの世界に未練があって魂が成仏してなくて、彷徨っていた先にこの墓を見つけたとしたら。
どうして自分の墓なんかって思うだろ。
裏切り者として扱われてそれならいっそとことん嫌ってもらったほうが未練も残らなくねえか。
墓なんかあったら、あんな扱いしたのにってなるだろ。