第21章 蝶の奪還 episode4
藍染は大虚とともに空へと消えていった。
その瞬間、回復部隊四番隊が動き出す。
そして、一護たちを包んでいたサークルが消える。
それはつまり、桜の霊圧が消えかけていることを意味する。
一護「桜‼‼」
一護がすぐさま桜のもとへ駆けつける。
一護が桜を抱き上げる。
一護「おい、桜ッ‼」
桜はピクリとも動かなかった。
常に霊圧を張っていたせいか、
桜から薄い霊圧しか感じない。
一護は急いで双極の丘へ連れていく。
織姫「黒崎君‼」
一護「井上、頼む桜を、桜をッ…‼」
織姫「ひどい傷……‼
黒崎君は桜ちゃんをそのまま抱っこしてて。
今の状態で地面に寝かせると傷に響くかもしれない。」
一護「頼む、井上…。」
桜は一護に抱きしめられたまま回復が行われた。
そして、現場には
今まで日番谷冬獅郎と雛森桃の回復を行っていた四番隊隊長卯ノ花烈が到着する。
隊士「お疲れ様です、卯ノ花隊長。」
卯ノ花「残っているのは?」
隊士「朽木隊長と……旅禍の……。」
卯ノ花は井上に回復されている桜の様子を見る。
卯ノ花「……もうお分かりでしょう。
旅禍の少女ではありません、水瀬隊長です。
彼女は尸魂界の恩人です。ですが、彼女のほうの回復は大丈夫そうですね。」
卯ノ花は、桜を回復している
井上を見る。
旅禍の中でも極めて特殊な能力。
回復力は、副隊長虎徹勇音にも匹敵するほど。
そんな井上の能力に多少の疑問を持ちながら卯ノ花は白哉のもとへ向かった。
卯ノ花「無茶をしましたね、朽木隊長。」
その時、白哉が卯ノ花にかすかな声で言う。
卯ノ花「朽木ルキアさん、こちらへ。
朽木隊長が呼んでいます。」
回復の邪魔になってしまうと白哉と話されていたルキア。
卯ノ花に呼ばれ、白哉の隣に行く。
白哉「そこにいるか、ルキア。」
ルキア「はい、兄様。」
白哉「お前に、話しておきたいことがある。」