第21章 蝶の奪還 episode4
「さあ、行くよ。」
あたしの後ろには一護だけじゃなく、あたしの大事な人たちがいっぱいいる。
この門番たちにここを突破されるわけにはいかない。
「花姫」
一度、始解状態の花姫で戦った時は
あたしは未熟で、花姫の能力を本当に理解していなかった。
でも、今なら……
桜は刀を構え、門番の3人の足元の地面を斬る。
東門番「ちょろちょろとうるさい奴だ。」
東門番の大きな腕が桜をめがけて振り下ろされる。
しかし……
「そこ、どいたほうがいいかもよ?」
東門番が自分の足元を見たときにはもう遅い。
3人の門番の足元が優しい緑色に光る。
南門番「なっ、なんだこれは……‼」
3人の門番がその場を離れようとした瞬間……
「蕾の型」
ふわっ、という音とともに3人の門番が地面から生えた蕾に包まれる。
そして……
「ほころべ」
桜が唱えると蕾が光りだし、そして……
カッ……!
音とともに蕾が弾ける。
蕾の光がすべて解き放たれ、
その光が様々な色の花びらへと変わる。
夜一「何じゃ、この美しい斬魄刀は……。」
藍染「さすがだ、君はいつの僕の予想を裏切ってくれる。」
光の花びらは、地面に落ちると風邪になびくように消えていく。
たった一度の攻撃で3人の門番は倒れこみ、戦闘不能に。
しかし……
ドサッ……
一護「桜‼」
桜はその場に倒れ、ピクリとも動かなくなった。
市丸「うわあ、綺麗な技やねえ。」
そう言って市丸が落ちてくる光の花びらを触ろうとした時……
乱菊「動かないで。」
市丸は手首を乱菊に捕まれ、
首元に斬魄刀を当てられる。
市丸「すんません藍染隊長、捕まってもた。」
夜一「これまでじゃな、藍染。」
藍染「何だって?」
砕蜂「わからないか、もはや貴様らに逃げ道などないということに。」
砕蜂の声とともに
全ての隊長、副隊長が双極の丘に姿を現す。
浮竹「藍染……。」
夜一「終わりじゃ、藍染。」