第21章 蝶の奪還 episode4
一護side
「咲き誇れ『花姫』」
桜がそういうと、
桜の持っていた斬魄刀が光りだす。
まさか、これって……
一護「桜……?」
桜の周りを風が包む。
そして風が切り裂かれると……
「……久しぶり、花姫。」
今まで見たことないくらい
綺麗な斬魄刀を持っている桜がそこにはいた。
藍染「…今の状態で始解ができるのか。
しかし、君に今の状態でできることなんてたかが知れているだろう。」
一度も回復を行っていない桜。
それなのに、俺や恋次、一角の回復のサークルのために常に霊圧を使っている状態だ。
でも、やめろなんて言えるはずがない。
今この場で動くことができるのは桜だけだから…。
俺たちだけでなく、夜一さんやあの砕蜂といわれていた奴だって動くことができない。
一護「……くそッ…‼くっそおお……。」
自分の情けなさに反吐が出る。
俺はいったい何のために浦原さんと修業をしたんだ。
結局、俺は守られてばっかりじゃねえか。
自分の弱さに唇をかみしめた時だった。
「一護。」
一護「桜……?」
ふと、名前を呼ばれて桜を見ると
笑っていた。
すっげえ幸せそうな顔で……
「一護、あたしは記憶を失くしてからずっと一護に守られてきた。一護はいつだってあたしを守ってくれた。やっと……やっとあたしが一護を守ることができる。」
一護「…桜…ッ。」
「安心して、こんな傷でもすぐに終わらせてくる。絶対に一護のところに帰ってくる。あたしは今、一護を守れることが誇らしいの。だから、そんな悲しそうな顔しないで…。」
一護「ッ……。」
なんでもお見通しかよ…。
俺の考えてることなんてすぐにわかるんだな、お前は。
一護「…悪い、桜…。」
俺がそういうと桜は笑顔を見せた。