第21章 蝶の奪還 episode4
ルキアを庇ったのは、白哉だった。
一護との戦闘の後、回復せずに駆け付けた白哉。
ボロボロの状態のまま市丸の攻撃を受けたのだった。
ルキア「兄様…‼なぜ私なんかを庇ったりしたのですか……。」
「白哉……さん……!」
息が荒く、ルキアにもたれかかっている白哉。
到底、逃げる体力なんてない。
ルキア「兄様…どうしてッ!」
ルキアが白哉を抱きしめるように抱える。
しかし…
「ルキア、危ない…‼」
ルキアと白哉のもとに一歩、また一歩と藍染が近づいてくる。
バッ‼
それに気づいたルキアは白哉を庇うように抱きしめる。
そして藍染が、斬魄刀を抜いた時だった。
ドンッ‼‼
夜一「動くな。」
砕蜂「筋一本でも動かせば、」
夜一「即座に首をはねる。」
夜一と砕蜂の2人が藍染の首に刀を突き付けていた。
暗殺部隊の元隊長と現隊長。
この状況で2人がこちらに近づいていたことに、気づくものはいない。
しかし……
ドン‼ドン‼ドン‼
夜一「なっ!?」
東の門、北の門、南の門を守っているはずの者たちが瀞霊廷に現れる。
いずれも、西の門を守っていたじだんぼうのように大きな体をしている。
砕蜂「バカな…‼こいつらまで手なずけていたのか!?」
藍染「さあ、どうする。いくら君達でも僕を捉えたまま彼らと戦えないだろう?」
夜一「くっ‼」
夜一と砕蜂の顔が苦い顔になった時だった。
「私が行きます……。」
桜が立ち上がった。
夜一「なっ!?」
そう言って桜は
縛道をやぶり立ち上がった。
一護の背中に悪寒が走る。
一護「桜‼‼」
一護の声に桜が振り返る。
そして……
一護「ッ‼‼」
怖いほどに綺麗な笑顔で微笑んだ。
そして…
「行きます……、夜一さんと砕蜂さんは藍染隊長を抑えててください。」
桜は斬魄刀を構える。
「咲き誇れ『花姫』」