第21章 蝶の奪還 episode4
藍染「しかし、あの反逆事件の後
現世への穿界門が開いたのに気づいたんだ。
すぐにわかったよ、水瀬くんはギリギリの状態で生きていて現世へと身を隠した、とね。
それでも私が彼女を追わなかったのは迎えに行くつもりだったからだ。」
一護「迎え……だと……?」
藍染「それが今回の事件に繋がるんだ。
私は死神の限界を超えて進化する方法を探していた。
しかし、私より先にその方法にたどり着いたのが浦原喜助だ。その方法とは死神の虚化。それを可能にするのが浦原喜助のつくり出した『崩玉』、しかしあまりに危険な物質であることに気づき浦原喜助は破壊を試みたが不可能だった。そこで浦原喜助は崩玉そのものに防壁をかけた。そして崩玉の隠し場所として選んだのが…」
桜は縛道を掛けられたまま地面に落とされた。
藍染「君だ、朽木ルキア。」
藍染はルキアの首にかけられている飾りを掴み
ルキアを立ち上がらせる。
ルキアは突然のことに頭が追い付かない。
桜は……
「ッ………。」
唇を強く噛みながら涙を流していた。
藍染「浦原喜助は、死神の霊力を分解し続ける義骸を作ったことで瀞霊廷から追放されている。その義骸に入れられたのが君だ。義骸に入った死神はいずれ自分の霊力を失い死神からただの人間へと成り下がる。彼は君に力を貸したんじゃない。君を人間にすることで『崩玉』の所在を完全にくらませようとしたんだ。」
ルキアは突然のことに頭が追い付かない。
ただただ藍染の話を聞くことしかできない。
藍染「君を現世で発見してから四十六室を抹殺した。それから四十六室からの命令は私が行ったものだ。そして、君の中にある『崩玉』を取り出す方法が双極を使った処刑だ。しかし、失敗した場合、どうすればよいのか。その答えも浦原喜助の過去の研究に隠されていたよ。」
そういうと、藍染は1つの道具を取り出す。
それを起動するとルキアと藍染の周りに檻のようなものができ、藍染の手が鋭くなっていく。
藍染「これがその………」
一護/桜「待っ……‼」
藍染「こたえだ。」
ドンッ‼
藍染の手がルキアの胸を貫いた。