第21章 蝶の奪還 episode4
藍染「何から話そうか…。
まずは、2年前の出来事からだね。
2年前、水瀬くんの反逆事件だ。」
反逆事件。
この言葉を聞いて一護はすべてを察する。
一護「てめえッ…‼‼」
藍染「まだ息があるのか、かわいそうに。」
そういうと藍染は色蝶の囲いに近づく。
そして藍染が一護たちのいるサークルを
破壊しようとしたとき……
「羽ばたけ、赤蝶ッ……‼」
藍染の斬魄刀が色蝶のサークルに触れた瞬間…
ゴオッ‼‼
藍染の斬魄刀が触れた部分から炎が舞い上がる。
藍染「この状況でも抵抗するのかい?」
「その人たちには触れさせない……」
藍染「仕方ないな、この状態で始めるか。
その前に……。」
藍染は桜に近づくと桜を抱き上げ
片手で口をふさいだ。
「んんッ‼」
藍染「2年前の水瀬くんの反逆事件。
それはいち早く私の野望に気づいた水瀬くんを消すための私の計算だ。瀞霊廷にやってきたばかりの水瀬くんより隊長として君たちを育ててきた私が傷つきながらも訴えた言葉のほうが信憑性があるだろう?」
恋次と一角の脳裏に浮かぶ
あの時の光景。
血まみれになっていた隊長を見て、
その目の前で剣を握っていた桜。
動揺と絶望。
その感情が桜の言葉を受け付けなかった。
藍染「それに私が息の根を止めるより、
友人の君たちが息の根を止めようとすることで、桜くんは瀞霊廷にはいられなくなる。
もし生きていたとしても、その記憶がある限りここには近づかない。そうすれば私は反逆者に殺されかけた哀れな隊長という肩書きを手に入れ、今まで以上に皆が私を信じるようになり、人望が手に入る。」
すべて仕組まれていたことだった。
桜は藍染の野望のための駒。
一護「…てめえッ、桜を何だと思ってんだよ‼」
藍染「世界でたったひとり私の心をさらった愛しい人、という認識をしているよ。」
一護「てめえは自分の野望の為なら好きな女を殺すのかよ‼」
藍染「私だってそんなことはしたくなかったさ。
ただ彼女が気づいてしまった、それだけだ。」