第21章 蝶の奪還　episode4

一護「…あいつが…藍染か……。」




恋次「藍染隊長は強え、できる隙はほんの少しかもしれねえが俺と蛇尾丸の技で隙を作る。そこをついて水瀬隊長を救い出して攻撃してくれ。」




一護「……わかった。」




恋次は一度ルキアを後ろに隠し、蛇尾丸を手に取る。

一護はいつでも行けるように構える。




恋次「狒牙絶咬(ひがぜっこう)‼」




それと同時に一護が走り出す。

ちぎられた恋次の蛇尾丸の刃が
あらゆる方向から藍染を襲う。

すると藍染は桜を落とすように手放す。

一護が藍染に刀を振り下ろした時だった。


ドン‼‼


パパッ……という音とともに桜の頬に何かが付く。




「…………うそ…………。」




指先で一護の一撃を抑えた藍染が一護の腰を深く斬った。


……桜の本当に目の前で…。


上半身と下半身は繋がっている部分のほうが少ないくらいに深く斬られる一護を桜は目の前で見た。

パパッ…という音とともに桜の頬についたものは一護の血。





藍染「おや、腰から下を切り落としたつもりだったが浅かったな。」




恋次「……そんな、バカな…、」




一護が崩れ落ちようとした時だった。




恋次「‼‼」




一護が崩れ落ちるより速く移動していた藍染が
恋次の肩を深く斬る。




恋次「……く…そ……ッ……」




恋次は地面に伏せるように崩れ落ち、
一護は桜に寄りかかるように崩れ落ちる。




「……あ………ああ………あ……」




桜の腕の中で一護は、
ほんとに小さくしか呼吸をしていない。

恋次は、呼吸をしているのか分からないぐらいに動かない。




藍染「死人の分際で水瀬くんに抱きしめられているなんて許せないな。」




そういって藍染は瞬歩で移動し、
一護めがけてもう一度刀を振る。


ガンッ‼




藍染「……ほう、その能力を開花させていたのか。」




藍染の攻撃は桜の色蝶の脳力、
囲うように盾をつくり出す森林蝶によって防がれた。