第21章 蝶の奪還 episode4
ザッ‼‼
雛森を追って中央四十六室について
見た光景は日番谷には信じられなかった。
冬獅郎「…市丸…と……藍……染………!?」
藍染「見てのとおり、本物だよ。」
冬獅郎「…雛森はどこだ…」
藍染「どこかな。」
冬獅郎「‼‼」
目にも止まらね速さで奥の部屋へと入る日番谷。
そこには……
冬獅郎「…ひ……雛……森…………」
目を開けたまま血を吐きながら倒れている雛森がいた。
冬獅郎「てめえらいつからグルだった……。」
藍染「初めからだ。
私が隊長になってから、
一度もギン以外を副隊長だと思ったことはない。」
冬獅郎「…お前は今まで、全部だましてやがったのか…‼」
藍染「騙したつもりはないさ。
ひとつ覚えておくといい、日番谷君。
憧れは理解から最も遠い感情だよ。」
その瞬間、冬獅郎の中の何かが切れた。
辺りが一面氷に覆われていく。
冬獅郎「卍解『大紅蓮氷輪丸』」
冬獅郎の体が氷で覆われ、龍のような姿をつくり出す。
冬獅郎「-------藍染、俺はテメエを殺す。」
藍染「…あまり強い言葉を使うなよ。
弱く見えるぞ。」
その瞬間、冬獅郎の体が
血で覆われる。
それが冬獅郎自身の血であると理解するのに
時間はかからなかった。
冬獅郎「嘘…だろ……」
ドサッ……
冬獅郎が倒れると、
部屋を覆っていた氷が崩れていく。
藍染「良い眺めだ、おっと来客かな。」
部屋の入り口には、
四番隊隊長、卯ノ花と副隊長、勇音がいた。
卯ノ花「あなたが死体の人形を作って
身を隠したと知った時に私は……」
藍染「死体の人形とはこれのことかな?」
そういって藍染が手に持っていたのは、
藍染そっくりの物だった。
藍染「これは私の斬魄刀だ。
有する能力は完全催眠。
発動条件は敵に斬魄刀の解放の瞬間を見せること。
一度でも目にすれば、術に落ちる。
つまり、目の見えない隊長、東仙要は僕の部下だ。」