第21章 蝶の奪還 episode4
雛森「ここは……」
市丸「四十六室のための居住区域やねん。」
雛森は、市丸について
四十六室の建物の奥へと入っていく。
雛森「どうしてあたしをこんなところに…?」
市丸「…逢わせたい人おんねん。」
雛森「逢わせたい人?あたしにですか?」
市丸「ほれ、うしろ見てみ。」
雛森は市丸の言うとおりに後ろを向く。
するとそこには………
雛森がずっと求めていた……
藍染「久しぶりだね、雛森君。」
亡くなったはずの、五番隊隊長、藍染惣右介がいた。
雛森「…藍染……隊長…?
……本当に本当に愛染隊長なんですか……?」
藍染「…大丈夫、この通り生きているよ。」
雛森は、涙を流し頬を染めながら藍染に近づく。
そして藍染の死覇装を握る。
藍染「…済まない…心配をかけたね雛森君。」
そう言って藍染は雛森の頭をなでる。
…ああ、藍染隊長の手だ。
あたしが求めていた藍染隊長だ。
本当に藍染隊長だ……。
雛森「うっうっ…うっ。」
雛森は藍染に抱きしめられながら涙を流す。
その様子を市丸は黙って見ていた。
藍染「…ありがとう雛森君…。
君を部下にできて本当に良かった…。
ありがとう雛森君…本当にありがとう……」
藍染「さよなら。」
藍染は自身の斬魄刀で雛森を貫いた。
雛森は状況が理解できず、しばらく
貫かれた自分の腹部と
貫いた藍染の斬魄刀を見つめる。
そして……
雛森「嘘。」
やっとでできた言葉を言い、
顔をあげると、今まで雛森がみたことのない
冷めきった顔をした藍染がいた。
ドサッ………
雛森が倒れたのを確認し、
藍染は自身の斬魄刀についた雛森の血を払う。
藍染「…行くぞギン。」
市丸「…はい、藍染隊長。」