第21章 蝶の奪還 episode4
日番谷side
日番谷はこの処刑に違和感を覚え、
副隊長の松本とともに処刑の命令を出す
中央四十六室に向かっていた。
冬獅郎「何だこいつは……?
中央四十六室が………全滅………。」
阿散井がやられた後、中央四十六室は隔離状態にあった。
俺が今日、強行突破するまで誰も侵入した形跡はなかった。
ということは、それ以前に誰かが
四十六室を全滅させたということになり、
それ以降に俺たちに伝えられた伝令は………
冬獅郎「偽物か……‼」
そう言葉を発した時だった。
奥の扉から、三番隊副隊長、吉良イヅルが現れた。
吉良は日番谷と松本を見ると、
表情を一つも変えずに走り去る。
冬獅郎「追うぞ、松本‼」
日番谷と松本は吉良を追って四十六室を出る。
自分たちの後をだれかが追って来ていたとも知らずに。
----------------
しばらく、吉良を追う日番谷と松本。
すると吉良が急にしゃべりだす。
吉良「…いいんですか日番谷隊長。
雛森君、ずっと隊長たちの後を追ってきていたのに。」
冬獅郎「!?」
そんなに早く動けるようになるなんて思っていなかった。
甘かった。
あいつはまだ、藍染を殺した犯人が俺だと思ってるんだ。
藍染のためなら、動けなくてもやってくる。
好きな男の為なら、
無理をしてでも追いかけてくる。
冬獅郎「松本‼任せていいか‼」
松本「どうぞ!」
日番谷は、松本と逆方向に走って行った。
------------------
吉良の言う通り、雛森は中央四十六室にいた。
雛森「……な…なにこれ……?
日番谷君が驚いてて…吉良君がいて……
日番谷君はそれを追いかけていって……。
どういうこと……?
藍染隊長を殺したのが日番谷君なら、
これをやったのも日番谷君じゃないの…?
これをやったのは吉良君……?
それじゃあ日番谷君は……?
………………藍染隊長は…………………」
するとそこに忍び寄る影が。
市丸「いらっしゃい、雛森ちゃん。」