第21章 蝶の奪還 episode4
一角side
射場「成長しとらんのうお前。
まだ気道はサッパリか?」
一角「俺はもともと気道は向いてねえんだよ。」
副隊長同士で交戦をしていた2人。
一角は一護側。
射場は護廷十三隊として。
すると遠くから、ドオンという音が聞こえる。
射場「さっきから気になっているのじゃが、
朽木隊長と戦っているのは誰かのう?
どうにも知らん霊圧じゃが……」
一角「たぶん、一護だ。
旅禍だよ旅禍。
俺は一度、戦ったから知ってんだよ(笑)」
射場「ほう、旅禍か。
強いのう、この旅禍は。
ええのう、こいつと戦ったら楽しいじゃろうなあ。」
射場さん…
あんたやっぱり根っからの十一番隊だぜ。
一角「構えな、射場さん‼
もういっちょやりあおうぜ‼‼」
射場「まだやるんかいな?」
そう言いながらも、構える射場。
その時だった。
少しだけ、ほんの少しだけ……
懐かしい霊圧を感じたのは。
一角「……おいおい、…嘘だろ…。」
一角の手が震える。
間違うはずがない。
あの旅禍の女の霊圧とは少し違う。
旅禍の女の霊圧に花が咲いたような霊圧。
ずっとずっと、求めていた霊圧。
探していた霊圧。
一角「…桜……なのかッ…?」
一角の言葉に射場が反応する。
射場「桜とは、
あの水瀬隊長のことかいな?
しかしあの人は確か…」
一角「‼
射場さん、俺は気道が全くダメだから
霊圧で人を当てるってのは難しい話だ。
頼む、この霊圧の人物を当ててくれ‼」
一角の真剣な顔つきに、
射場も真剣になる。
射場「…任せんかい。」
そう言って射場は霊圧を探る。
射場「…こりゃあ驚いた。」
一角「誰なんだ射場さん、この霊圧は!?」
射場「正真正銘、水瀬隊長のものじゃ。」
その瞬間、一角が瞬歩で消える。
射場「お、おい、どこに行くんじゃ。」
一角「すまねえ射場さん、また今度いくらでも戦うから‼」
そう言って一角はいなくなった。
射場「若いのう……。」
射場の囁きは誰にも聞こえなかった。