第3章 種から芽へ
「な なに これ……。」
一「俺もここまでの大群は見たことねぇぞ……。」
凄まじい霊圧が放たれていた場所。
そこには 大群のギリアンがいた。
ギリアンとは本来 死神の敵 《 虚 》の中の一種。
普通の虚より やや強いくらい。
しかし 体の大きさは普通の死神の およそ20倍程度。
「おっきぃ……。」
桜は初めてだった。
虚を見たのは。
そして 始めてみたのにこの大群。
インパクトが大き過ぎる。
一「くそっ!やるっきゃねぇ!!!
伸びろ 鬼灯丸!!!」
一角は始解をしてギリアンに向かっていく。
桜はガタガタ震えてしまい身動きが取れない。
一「桜 はやく戦え!!
俺らがやられる!!!」
「あ あぁ…………。」
まるで 知らない男を見た時のようになっていた。
一角は思った。
俺が守らなきゃいけねぇ。と。
そんなことを考えていると一人動かない桜にギリアンが迫っていく。
「あ 一角 たすけて!!!!」
一「桜!!!!!」
ブシュッ!!!!
ドサッ…………。
「あ 一角………………。」
ギリアンの鋭い爪が一角を切り裂いた。
一角からは血しぶきが舞い上がる。
一「はは……。桜ケガねぇか……?」
「一角 ごめん 一角…………。
私が 助けなんて求めなければ…………。」
一「……気にすんなお前が無事でよかった……。」
そして ゆっくりと一角の目が閉じていく。
その途端に桜は今までにない感情に押しつぶされそうになる。
不安と恐怖と拒絶がまじったような感情。
「一角 お願い目を覚まして……。」
しかし 一角は答えない。
そのピクリとも動かない一角にギリアンが迫ってくる。
その瞬間 桜の霊圧が跳ね上がる。
「一角に触らないで!!!!」
そして 桜は叫ぶ。
「咲き誇れ 花姫!!!!!!」