第20章 蝶の奪還episode3

一護はルキアの前を通り過ぎる。




一護「大丈夫か花太郎。
先に行かせて逆に怖い目に遭わせちまったな。
……岩鷲は?………そうか。」




そしてルキアのところに行き……




一護「助けに来たぜ、ルキア。」




ルキアは浮かない顔をする。




一護「なんだ、その顔⁉
助けに来てやったんだから
もうちょっと嬉しそうにしろよ!」




ルキア「バカ者‼‼
あれほど、あれほど来てはならぬと言ったではないか!
ボロボロではないか、馬鹿者……‼」




そう言ってルキアは必死に涙を堪える。

俯きながら、必死に。




一護「全くだ。
だから、後でいくらでも怒鳴られてやるよ。
アイツを倒した後でな‼」




そう言って一護は白哉を見る。

桜の腕を握って……




一護「…なんでアンタ、
桜の腕掴んでんだよ。」




白哉「……。」




一護「桜の手を離せ。」




「一護……っ」




桜が一護に駆け寄ろうとすると、
白哉はさらに腕を掴んでいる手に力を込める。


その瞬間に白哉が消えた。




一護「!!!」




気づいた一護は反射的に後ろに刀を構える。

そして白哉の攻撃を防いでいた。




一護「二度も同じ手は食らわねえ！」




その瞬間、桜を掴んでいた白哉の手が緩む。

桜はそのスキに白哉の腕を離れる。




一護「……桜、行け‼
ここは俺がいるから大丈夫だ、お前は他の仲間たちと合流しろ‼‼‼」




「一護ひとりになるじゃない‼‼
あたしも一緒に………‼」




一護「頼むから‼‼
俺の言うことを聞いてくれ、桜……。」




「一護……‼」




一護と桜はお互い顔を見る。

お互いが険しい顔をしていた。




白哉「どこを見ている、貴様。」




一護・桜「‼‼」




白哉「よそを見る暇があるくらいだったら構えておけ。
見せておいてやろう。
千年あがいても埋めようのない圧倒的な力の差というものを。」




ルキア「ダメだ、一護‼‼逃げろ‼‼」




白哉「散れ………」




ザッ……




白哉の斬魄刀が解放されることはなかった。




一護「夜一さん?」