第3章 種から芽へ
そう。
桜と修行をするようになってから
一角は鬼灯丸とより一層 仲良くなった。
一角は不思議に思っていた。
なぜ 桜と練習を重ねる度に鬼灯丸の気持ちが分かるようになってくるのかを。
「花姫は私が刀に触れた瞬間に姿を見せてくれた。
そんな私たちにかなう?」
一「上等だ こらぁ!!!」
一角はおもった。
なぜこいつはこんなにも斬魄刀のことがわかるのか。
桜の花姫はすぐに姿を見せた。
桜には斬魄刀との ❪なにか❫ があるのではないかと。
しかし そんなことを考えていると……。
ガキンッ!!!!!
一「うわっ!!!」
「はい 私の勝ち!やっぱ一角はハゲなんだ!」
一「うるせー!!!明日こそ勝ってやる!!」
「何回目よそのセリフ!」
ギャーギャーいいあっている桜と一角。
その光景を見に十一番隊の隊士たちが集まる。
「あぁ、桜さん。今日も美しい!」
「われらが十一番隊の女神!!」
「ちくしょう 毎日あんなことしてる一角さんが羨ましいぜ!!」
こんなことを言われるのも日常になってきているが桜は知らない。
だが、一角は気づいていた。
桜がどれだけの隊士の恋の標的になっているか。
そして 自分もそのなかの一人だということに。
一「……じゃ 今日もありがとな。」
いやだった。
桜がいろいろ言われているのを見るのは。
しかし そんな一角の気持ちは桜の発言で吹き飛ぶ。
「んー。
これから私 暇だしどっか行く?」
一「いく!!!!!!」
「即答!?!?
んじゃ レッツゴー!!!」
一角は桜に振り回されてばっかりだと思いながらもそんな自分を嫌いではなかった。
むしろ 誇っていた。
本人たちは気づいてないが 剣八 そして弓親。
ふたりとも 淡い恋心を桜に持っている。
そんなふたりを突き放して桜と仲がいい自分を。
しかし それゆえ 桜を傷つけてしまうことになるのは もう少し先の未来のこと。