第20章 蝶の奪還episode3
それは、壁に寄りかかって気を失っていた阿散井を見つけ吉良とともに保護した時に言われた言葉。
日番谷冬獅郎に言われた言葉。
日番谷『気をつけな。』
日番谷『三番隊には気をつけな。』
日番谷『特に…………』
日番谷『愛染のやつが1人で出歩く時にはな。』
雛森「お前か‼‼‼‼‼」
雛森は涙を流しながら市丸に向かっていく。
雛森が自身の斬魄刀を抜いて、
市丸に斬りかかろうとした時だった。
ガンっ‼‼‼‼‼
雛森「…吉良君、どうして…‼」
その刃を防いだのは雛森の同期、
三番隊副隊長 吉良イヅルだった。
吉良「僕は三番隊副隊長だ‼
どんな理由があろうと、
隊長に剣を向けることは許さない‼‼‼」
雛森「お願い…どいてよ吉良君…。」
吉良「それはできない!」
雛森「どいてよ…どいて…。」
吉良「…だめだ!」
雛森「どけっていうのがわからないの!!」
吉良「だめだというのがわからないのか!!!」
お互いに一歩もひかない。
その様子を陰から見ている人物が一人いた。
雛森「弾け‼『飛梅‼‼』」
ついに雛森が斬魄刀を解放する。
吉良は反射的に雛森から距離をとった。
吉良「自分が何をしているのかわかっているのか!
公事と私事を混同するな、雛森副隊長‼‼‼」
雛森の飛梅から火の玉がとんでくる。
ボンっ‼‼‼
ドンッ!!!
雛森は吉良の言葉に耳を傾けない。
いや、傾けられなかった。
吉良「…そうかそれなら仕方ない。
…僕は君を……敵として処理する‼‼‼」
ダンッ‼‼
吉良が空高く飛び上がる。
吉良「面を上げろ『侘助』」
吉良がついに斬魄刀を解放して、
雛森と向かい合う。
ガンッ‼‼‼
吉良と雛森の刃が交わることはなかった。
日番谷「動くなよ………どっちも。」
日番谷が雛森の刃を受け止めていた。
吉良のほうは……。
「…また会いましたね……。」
吉良の刃を受け止め、
冷たい瞳で吉良を見ている桜がいた。