第20章 蝶の奪還episode3
ぐおー、ぐおー。
大きな音によって目覚めた岩鷲。
音のしたほうを見ると、
岩鷲「花太郎、テメエなに俺の一張羅の上で寝てんだよ!」
眠っていた花太郎のいびきだった。
花太郎はヨダレを垂らしながら眠っており、
岩鷲の服の上にヨダレがついていた。
一護「疲れ切ってんだ。
ヨダレくらい許してやれよ。」
岩鷲「一護‼‼…と桜ちゃん!!」
「昨日、花太郎君は
一護を治療して疲れてるんだよ。
あの一護の傷を一晩で治したの。」
岩鷲「え、こいつが一晩で!?」
岩鷲は花太郎を見つめる。
そして……
一護「…もう一度…今度こそだ。
行くぜ、ルキアのとこに!!」
その時、
「…待って…。」
一護「桜?」
「何かが起こってる…。」
一護「なにか?」
「瀞霊廷で何かが起こってる。
ひとりの死神の霊圧がすごくブレてる。」
一護「どういうことだよ?」
「わかんない。嫌な予感がする。
あたしちょっと行ってくる!!」
一護「桜‼」
一護の声もむなしく、
桜は走り去っていった。
一護の心には不安しかなかった。
なぜかはわからない。
どうしても、どうしても。
桜が帰ってこない気がした。
一護「待て桜‼
戻れ‼‼桜-----‼」
桜は光に向かって走っていき、
光に消えていった。
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雛森「いやああああああああ‼‼‼
愛染隊長…愛染隊長っ……
いやだ…いやです愛染隊長‼‼‼
愛染隊長‼‼‼‼‼」
雛森は泣き狂う。
愛染の亡骸を見ながら、
大粒の涙を流していた。
市丸「なんや。朝っぱらから騒々しいことやなあ。」
そういって雛森のもとにやってくる市丸ギン。
その姿をみて雛森はあることを思い出した。